草なぎ君のドラマの原作。
さすがに原作はノンフィクションだけあって地味過ぎたようでドラマはかなり脚色入ってますね。
私自身看護士をやっていたことがありますが大学病院には勤務経験が無いので「あぁ、大学ならこういうことあるだろうなぁ」とまぁあるあるネタというか、医師同士のぶつかり合いも「あぁわかるわかる」となり内輪ネタ的な楽しみ方は出来ました。
著者は大学病院の馬鹿げた現実を広く一般の人に知らしめたいと思って書いている部分が多くあったと思われますが、一般の人は読んでどう思うんでしょうねぇ。
川淵さんの思惑は理解しつつもやはり「権威」を求めて大学病院を求める人はいるでしょうしいなくはならないでしょう。
そして川淵さんは大学病院とは対極に位置する医者として、患者に寄り添っていて欲しいと思うのですが、残念ながら今は検診医として派遣業をしているようですね。
折角ベッドサイドやデイルームで患者とのコミュニケーションを得意とする稀有な医師なのに、こういう方が執筆業と収入を維持する為に検診医だけをしているというのはほんと残念だしもったいないですね。
検診医が悪いとは言わないしよく話を聴いてくれる検診医も良いとは思いますが、川淵さんの特性を最も活かせるのは地元に密着した医院であり訪問医療であると思います。
そしてもっと残念なことは川淵さんの著書に勤務医を辞めてまで書いたと言う程の魅力が無いことです。
処女作なので文章が稚拙さは目立ちますが、素朴な文章は逆に読みやすくさくさくページが進みます。
この川淵さんの文体は児童書向きだと感じましたが、実際児童書も二冊程出されているようです。
この作品に関しては、ドラマのほうが面白かったなぁ&こんなお医者さんにこそ病院にいて欲しい!の二点に尽きます。
本あんまし面白くないし書かなくてもいいから勤務医に戻って欲しいですw
- 感想投稿日 : 2012年8月8日
- 読了日 : 2012年8月6日
- 本棚登録日 : 2012年8月8日
みんなの感想をみる