たしか新聞の書評で気になって図書館で予約して借りた本。昨年10月に予約して7か月たってやっと手元に届いた。
とても優しい気持ちになれる本だと感じた。道子という一人の女性を、夫から、息子から、息子の嫁から、若いころの自分から、母からそれぞれ描き出すことで、初めはぼんやりとしていた印象が徐々に肉付けされていく。良い面も悪い面もすべてひっくるめて一人の人間なんだなあと感じるし、同じ人を見ていても息子と息子の嫁とでは感じることがこんなにちがうんだなあとか、私は姑にこんな態度をとられたらきっと結婚しないなあとか、自分にも寄り添わせて想像を膨らませることができた。話の舞台が北海道なので、気候の表現や地名がなつかしく感じられ、故郷や家族を思い起こしながら温かい気持ちになることができた。読後感の良い作品だった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年5月30日
- 読了日 : 2019年5月30日
- 本棚登録日 : 2019年5月30日
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