「イスラム再訪」はインドネシアを終了し、イランへ入った。
15年ほどの間を経て同じ国を巡る。しかもどれもイスラム圏。しかし国情によって、まったく違った姿が現れてくる。今から数年前のことが書かれているのに、それは古くない。ある人がある時に見たことを語っているからだ。そういう当たり前のことが実はすごい。
日本で見なれているルポルタージュの多くが2年の命を持たない。それはどうしてだろうと思う。多分。書き手がそれを今の固有の問題だと捉えているからだ。
しかし書き手が人間ってそうそう変わらない生き物だって判っていたら書き方は変わる。同じ材料を元にしても印象はまったく違う。そう判っていたら、その人のことを書きながら、普遍的なことを語ってしまうからだ。
「イスラム再訪」にはそうした力がある。
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- 感想投稿日 : 2007年1月25日
- 本棚登録日 : 2007年1月25日
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