グロテスク 下 (文春文庫 き 19-10)

著者 :
  • 文藝春秋 (2006年9月5日発売)
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感想 : 428
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下巻読了。最初は何を読まされているのか?とはてなが飛ぶ下巻の始まり。
犯人、張のこれまでの独白となるのだけど、この部分いる?と最初は思ってしまった。
ちょっと胡散臭いと思った原因はやはり自分で見目が良いなどと言うから。後々他の人たちに完全否定されるのが、ちょっとおかしい。ついでにひどい悪党とも言われている。
これと同じく、「わたし」の話もミツル、ユリコ、和恵の話も日記や手記、独白によるものだから、どれも信用ならない。
ただ、ふと現実に置き換えたときに、もしかしたら人の見えかたなんてこんなものなのかもしれないと思ってしまった。
上巻を読んでいるときは、ユリコと「わたし」の話だと思っていたけど、下巻で和恵の話だったのかなとも思った。
なぜ和恵が随時どんどん痩せているのだろうと思ったら、「わたし」の言葉があったからなのかと愕然。
全然周りが見えていないし、自分のこともわかってないのだけど、ほんとに素直な人というのがしっくりきたかもしれない。
そして最後は「わたし」は結局そこへ行くのかと。
読みながらしんどいなあと思うところも多々あったけど、読みごたえも十分あったと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2020年2月21日
読了日 : 2020年2月21日
本棚登録日 : 2020年2月21日

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