恋をしていたころ (ディアプラス文庫)

著者 :
  • 新書館 (2021年4月9日発売)
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本棚登録 : 83
感想 : 8
5

建築士同士の復活愛

大学院で出会い、攻めの猛プッシュで絆され付き合い始めた2人。才能の格差に自信をなくした受けは地元での就職を選び、別れを切り出した。
そして7年後にやってきたのは記憶喪失の攻め。再び一目惚れされ、猛プッシュされるも必死で踏みとどまる受けでしたが…。

作者の言う通り、こうやってあらすじを書いてみるとほんと地味。別れた2人がまた好きあった、ということしかないわけですが、それを面白く読ませちゃうのが才能だなあと思いました。心の動きが非常に面白かった。

作中気になった点が2つ、後半の攻め視点で攻めが送ったリングを首に下げるためのチェーンを受けがプレゼントします。その時攻めがびっくりして、以前付き合っていた頃あいつはこういうことをしたことが無かったって言うんです。これ読んでヒュッてなりました。気持ちの格差のなんと残酷なことか。愛される方はそれが当然になってしまい、結果別れようとした時も引き止められるもんだと当然予想する。しかし攻めは豊前としてあっさり了承。これ、泣き喚いて引き留めていたらきっとそこで完全終了だったんじゃないかなと。だからこそ受けは引きずり、誰とも付き合えなかったんじゃないかなあ。
ほんのちょっとのエピソードだけど、色んなことを想像させられました。

あと最後の従兄弟の優さん。彼は何がしたかったのか…。現在やっかんで意地悪するのはわかるけど、小さい頃は僕の方がまだマシなんだとマウント取りたがった感じなのかな?本人の口から理由を説明してないからちょっともやっとしました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年7月7日
読了日 : 2021年7月7日
本棚登録日 : 2021年7月7日

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