エンダーのゲーム〔新訳版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)

  • 早川書房 (2013年11月8日発売)
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感想 : 84
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エンダーのゲームといえば「SFの必読書」として名高い。SF小説好きとしては、いつか読みたいと思っていた本書。ワクワクした気持ちを持ちながら、ようやく手に取ることができた。

世界観としては、王道のSF。かつて宇宙人たちが地球に侵攻してきた。圧倒的な力で蹂躙されたものの、なんとか地球側の勝利で終わった。それから数十年後。現代の地球人たちは、再びの侵攻に備えて軍備を整えていた…と言った世界観。

そんなマクロな世界観に対して、ストーリーは意外とミクロ的。エンダーという主人公が、宇宙軍の指揮官候補として登用される。かれはまだおよそ10歳(?!)にして、入隊。新人時代を経て、部隊に配属され、メキメキと頭角を現していく、という割りと狭い世界が上巻のお話。

エンダーを始めとした、少年少女の戦士たちは、選りすぐりの人材。単なる子どもではなく、大人たちが慎重に、計画的に選別した結果であることが序盤から説明される。それゆえに、10歳とは思えないような思考力・問題解決力・成長力を見せてくる。それが現実的には見えず、違和感を持つ読者もいるかも知れない。

一方で、そんな子どもたちを観察する、大人の視点も少し描かれる。「本当にエンダーは選ばれし子なのか…?」みたいな話し合いの場面。エンダーの視点と交互に描かれるので、それは物語に厚みをもたせたと思う。

とは言え、上巻はアッサリと終わった印象。肝心の敵対宇宙人は登場せず、精神描写も多いため、期待していた宇宙ドンパチなシーンはほぼ無く。これから宇宙戦争が始まる…?! という緊張感はあまり感じなかった。それは下巻の話かな…?

ちなみに、翻訳的な部分で言うと、読みにくさは無かったと思う。ただ、旧訳版のレビューを見ると、そこの評価は高くない印象。なので今から読むなら、新訳版がオススメになりそう。

ただ、罵倒語がたくさん出てくるのだけど、それらはよく理解できなかった…w 「この屁食い野郎!」みたいな。なにそれ?? と意味が分からずにポカーンとしてしまうことがあった。

(書評ブログもよろしくお願いします)

https://www.everyday-book-reviews.com/entry/2022/04/07/%E3%80%90%E6%9B%B8%E8%A9%95%E3%80%91%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%81%AE%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%EF%BC%88%E4%B8%8A%EF%BC%89-_%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B9

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年4月7日
読了日 : 2022年4月2日
本棚登録日 : 2022年1月5日

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