第三次世界大戦はもう始まっている (文春新書 1367)

  • 文藝春秋 (2022年6月17日発売)
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感想 : 89
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なるほどな〜 こういう見方をする人もいるのか〜と、新鮮な発見があった

筆者は言わずとしれたエマニュエル・トッドさん
フランス人の政治学者

本書では、ウクライナとロシアの戦争について。すでに第三次世界大戦は始まっている!と筆者は説く。

たしかに、ウクライナのバックにはアメリカとイギリスがいる。
兵士訓練と武器供与を行っているのだから、これはちょっとした世界大戦と言っても良いのかもしれない

そもそも、私たち日本人は西側の人間だ
ウクライナに関するニュースというのは、基本的には西側からの観点で伝えられる

ロシアにはロシアの言い分がある
戦後から世界秩序のためにコストを払い続けてきた 本来はロシアなりのプランがあった それが果たせずに、侵攻を開始した…というのが筆者の持論なんだけど、ちょっと世界をフェアに見すぎている気はする
つまり、戦争犯罪を軽んじている
さすが、本国フランスでは出版できない内容…

アメリカは世界で戦争をしていてほしい 軍事大国として君臨し続けるため
その視点は確かに… と思わざるをえない
さらに筆者が言う、日本が核保有すべきとの主張は、納得感がある
核保有は戦争をするためではなく、戦争ゲームから逃れるため

さすがのエマニュエル・トッドさん
サラッとカジュアルに、地政学的な現況を解説する
ロシア寄りと感じる読者もいるかも知れないけれど、国際政治の書籍としてオススメと言えばオススメ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年11月16日
読了日 : 2023年11月16日
本棚登録日 : 2023年11月14日

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