「グリーンレクイエム」のその後のお話。
異星の住人vs地球人、植物vs人間、自然vs生物、男vs女、親vs子…この世の中には、いろんな存在の対立が見られる。‘異星人vs地球人’は、今のところフィクション世界の中の対立ではあるけれども。
この世の中の対立構造は、個人レベルのものから宇宙規模に至るものまでいろいろあるけれど、全ては‘異物嫌悪’から発生するのではないだろうか?‘嫌悪’という言葉が強すぎるとすれば、不理解とでもいおうか。
自分ではないもの、自分とは違うものを理解するには、相応の努力が必要だけれど、その努力を怠ってしまう結果、対立する存在が生まれてしまう。
この物語には、そんな対立の発生をストップさせるヒント、もしかしたら唯一のものかもしれないカギが記されています。物語の主題からは外れるけれど、常日頃思う「なぜ人と人との争いがなくならないのか?」という疑問にも、ひとつの答えが見えます。
この世が「自分ではないものを愛する」って気持ちで満たされたらば…そんな幻想を、願いとともに抱かせてくれる物語。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
新井素子
- 感想投稿日 : 2009年12月2日
- 読了日 : 2009年12月2日
- 本棚登録日 : 2009年12月2日
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