実話怪談の体裁をとった短編集。
郷内作品を読む間隔が毎回だいぶ開くので、拝み屋としての生活に起こっている怪異や事件、不幸などはすっかり忘れてしまっているので、文中で思わせぶりなことを書かれていてもさっぱり思い出せない。かといって読み返すのも時間がないので、これから出る作品ですぱっと思い出させて欲しいしついでに解決もお願いしたい。
で、今作の怪談は、実話怪談らしい淡白なものもあれば、小説みたいに冗長なものもある。もちろん色々あって良いのだけれど、冗長なものはいかにも小説っぽくて、実話怪談調のものに比べると覚める瞬間がある(湖姫さんの話とか特に)。なんとなくだけど、郷内作品の、人名のつけかたや持って回った言い回しなどが漫画チックに思えてきていて、私の中では、拝み屋という設定にもリアルさが少なくなってきている。リアル味が多かったからこそ面白く読み始めたわけなので、こうなってくると郷内さんの身の上に起こる事件の行方を知りたいというモチベーションが続かない場合には、これから出る作品もあまり読まなくなるかもしれない。
面白い実話怪談のみを求めるならば他にも良作がたくさん出ている時代なので。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
こわい本
- 感想投稿日 : 2021年9月22日
- 読了日 : 2021年9月22日
- 本棚登録日 : 2021年9月22日
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