冬の海の白浜に打ち寄せる冷たい波しぶきが、細かい粟粒となって砕け散り、あとから来た波に呑み込まれていく・・・映画のワンシーンを見ているような12の短編集です。甘く苦い青春の記憶、恋愛と失恋、家族との死別、離婚と再婚、嫁と姑の立場、不倫関係・・・今にも崩れ落ちてしまいそうな女性心理の浮き沈みを、 繊細で流れるような文脈で語られていきます。世間体に縛られず、もがき苦しみながらも、生きていこうとする心意気が偲ばれる直木賞受賞作品です。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本文学
- 感想投稿日 : 2021年3月13日
- 読了日 : 2021年3月7日
- 本棚登録日 : 2021年3月7日
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