フィンランドで気づいた小さな幸せ365日

著者 :
  • パイインターナショナル (2022年6月14日発売)
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感想 : 7
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フィンランドでの暮らしを通して、心が健康で豊かに暮らすためのヒントを与えてくれる本。

本書に出てくる筆者のテキスタイルデザインも北欧と日本を融合させたような作品で心を奪われる。

日々の生活の中で、環境への配慮や自身の心の豊かさにつながるモノ・コトを一つ一つ丁寧に考え選び取っていくことが大切だと感じた。
今あるものを大切にすること、普段買っている製品について調べること、流行を追わないこと、自然と触れ合うこと、運動すること、季節行事を楽しむこと、絵画やタペストリー、花を飾るなどちょっとした暮らしの変化を楽しむこと…たくさんの暮らしのヒントが詰まっていて、読むだけでも心が満たされるような気持ちになった。

フィンランドではネウボラ(妊娠から子どもが小学生になるまで専属の看護師が定期的に検診をしてくれる)制度や、子どもが専門学校や大学に通う間、返済不要の住居費・生活費が支給されるシステムなど子育て支援が充実しており、子どもの教育が親の経済力に左右されない仕組みがあり、また子育ても家族だけでするのではなく、とてもオープンで周囲が一体となって子どもを見守り育てる環境があり、素晴らしいと感じた。

また職場では上司の許可を得れば2年の資格勉強のための期間を取得できる機会があったり、ワークライフバランスを大切にする習慣が浸透していたりと、社会的自立や私生活の充実を目指すところも素晴らしい。

生活のヒントとしては、朝晩のヨガやレンッキと呼ばれる30分〜1時間程度の運動、週末には家族や友人たちと食卓を囲んでのパーティーや趣味を楽しむ時間に当て、夏には1ヶ月の休暇を取る人が多く、家族で電気のない夏小屋でゆったりした時間を過ごしたり、部屋のリノベーションや旅行をしたりするのが印象的だった。

フィンランドならではの自然豊かな森や長い冬の楽しみ方、心と体を芯から温めるサウナ、テキスタイルを中心としたアート作品の数々からも充実した暮らしが伺える。国民の環境への意識も高く、サステナブルやオーガニックにこだわった商品を積極的に選び、インテリアを長く大切に愛用し、洋服もセカンドショップを利用するのが主流で百貨店に古着ショップが入っているのも先進的だと感じた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 暮らし
感想投稿日 : 2023年2月25日
読了日 : 2023年2月25日
本棚登録日 : 2023年2月25日

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