夢のような幸福

著者 :
  • 大和書房 (2003年12月1日発売)
3.55
  • (47)
  • (64)
  • (157)
  • (6)
  • (0)
本棚登録 : 461
感想 : 92
3

2003年に出た本なのでちょうど20年前くらいなんだけど、この20年で時代ってすごく変わったんだなあとしみじみ。
看護師さんは看護婦さんだし、客室乗務員はキャビンアテンダントじゃなくてスチュワーデスだし、映画館はちょうど入れ替え制になったばかりでまだ予約システムがないから満席のせいで門前払いを食らったりする。20年ってすごい。

ところでさすが三浦しをんなので、言ってることは本当にしょうもないんだけどやたらと美しい文章が唐突に飛び出たりする。
私のお気に入りはウグイスとホトトギスの区別がつかないという話の、「氷砂糖から桜の花びらを透かし見るようにして語られていた愛がいつのまにか、泥水に張った氷を冬の朝に素手ですくうようなものに変わってしまったみたいな気がして、愕然としてしまうのだ。」というやつ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年4月10日
読了日 : 2024年4月10日
本棚登録日 : 2024年4月10日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする