女子サッカーの現場を描く物語の開幕巻である。舞台は高校、弱小の蕨青南高校に集まった才能たちを描いたド直球スポ根漫画だ。
非常に現代的なスポーツ少女らを描いたその内容は、例えば「お前はメッシか!?」「50点取れ!」といったネタの新鮮さにせよ、「草生える」「ぐう正論」のようなライトなネタ表現にせよ、らしさのようなものが見える。
しかし、その中で突きつけるようなやる気なし監督の「女子サッカーに未来はあるのか?」という言葉は印象深い。この命題を解き明かしていくことこそがこのシリーズの担う役割になるのだろう。
サッカーの内容も戦術的な側面に触れながら、ポゼッションとカウンターに二分して説明するところなどを見ても、良い形で単純化していて明快である。
ちょっとまだキャラの見分けが付けづらい印象があるため、その点だけ気にして星四つ半相当と評価している。同じ年頃の、同じ属性の女子が複数いるとだいたいおんなじ風に見える、というのは実に現実的だが、そこは漫画的にもう少し描き分けてくれてもいい気もする。
だが、前日譚となる「さよならフットボール」との関わりも明らかになっているし、物語そのものには長尺のドラマを期待してもいいのだろう。期待している。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ドナドナ
- 感想投稿日 : 2017年3月29日
- 読了日 : 2017年3月25日
- 本棚登録日 : 2017年3月29日
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