六巻は電子的な方法でのカージャックをテーマに取ったエピソードが展開されている。アングラサイト経由で実証された犯罪手法を販売するという、非常に興味深いサイバー犯罪の一幕である。
巻を重ねるごとに是枝の凶暴性と言うか、攻撃性が前面に出てきている。これはそもそも当然のことで、システムをクラッキングしようという発想そのものが非常に攻撃的なものなのだ。そうした己の性質を、誰かに叱られたからだとか、失敗したからだとか、そういった具合の拙いながらも学んできた常識によって抑え込んできたのがこれまでの是枝なのだろう。
であるから、これからはより一層攻撃的にサイバー犯罪と対峙していくことが予想される。既刊を読んでいくのが本当に楽しみだ。
今回は星四つ半相当と評価している。物語のまとまりとしては非常に良かったのだけど、先の巻の衝撃に比べると、やや物足りない感があることは否めない。その点は、比べてしまっても仕方がないところだと思う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
漫画喫茶
- 感想投稿日 : 2016年2月29日
- 読了日 : 2016年2月29日
- 本棚登録日 : 2016年2月29日
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