いよいよ本編が始まるかのようなワクワク感のある3巻である。
これまでは「よふかし」に焦点が当てられてきたこのシリーズ、今回から「吸血鬼と人間の恋愛」という主題にスポットを当て、大幅に登場人物を増やして物語の方向性をガッチリ定めている。
それにしても、ここに来ての路線変更というか、本代へと突入する展開には驚かされた人が多いだろう。自分もその一人だ。
プリン頭のギャル系JK桔梗セリとの出会いから始まり、連れられた先で夜守コウが出会った平田ニコ、小繁縷ミドリ、蘿蔔ハツカ、本田カブラら女子色強い吸血鬼勢。彼女らとの出会いは物語を新章に導いている。
女子女子した彼女らとコウ(やナズナ)のアンマッチなどを描きつつ、この巻では桔梗セリにスポットを当てて一つエピソードを描いた形だ。
コウの友人であるマヒル君の登場と合わせて、本格的に物語が始動したような巻であり、その中でもキビキビと物語が展開している。
新キャラの魅力とセリのエピソードの質に加え、「恋愛学一生赤点みたいなやつ」(P.41)のような名言なども飛び出した今巻は、素直に星五つで評価したい。
これからどんな形で物語が展開していくか、楽しみに待ちたい。
制限時間の付加、物語に絡む友人、どこに焦点を当てても面白く展開しそうな、そんな一巻である。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ドナドナ
- 感想投稿日 : 2020年6月4日
- 読了日 : 2020年4月17日
- 本棚登録日 : 2020年6月4日
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