ペップの狂気 妥協なき理想主義が生むフットボールの究極形

  • カンゼン (2014年5月28日発売)
3.67
  • (1)
  • (9)
  • (4)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 48
感想 : 7
5

 ペップさんについての本で言えば、先だって「知られざるペップ・グアルディオラ」という良書が翻訳・出版されているが、こちらも負けず劣らずの良書である。
 あちらが多分に叙情的な要素を含んでいるなら、こちらは叙事的な内容と言って良いだろう。特に社会的・政治的な背景に深く踏み込んだ著述は、類を見ないものである。
 惜しむらくは、現地での発売がシーズン終了前だったところか。
 道を違えたビラノバさんのこともそうだし、CLでの敗戦も、今季見逃すべきでない事柄だった。そこまでメスの入った一冊なら、なお良かったのだけど。

 とはいえ、良書である。
 欧州サッカーへの基本的な知識に欠けていると歯が立たないところもあるが(ティキタカってなに、というレベルでは読み通すのが辛いだろう)、ペップさんの道筋を網羅的に、しかもコンパクトに著している。是非ともお勧めしたい一冊だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: サッカー本
感想投稿日 : 2014年5月30日
読了日 : 2014年5月30日
本棚登録日 : 2014年5月30日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする