☆★☆*** 旅する気分になれる ***★☆
本作は'05年の仏映画『アントニー・ジマー』(独出身=ドナースマルク監督)のハリウッド・リメイク版とのこと。
仏版ではアンジーの役をソフィー・マルソーが演じていたらしい。(因みにエリーズ役には当初シャーリーズ・セロンが抜擢されていたとか。)
アンジー扮する謎の美女エリーズ。デップ扮するアメリカ人ツーリストの冴えない?数学教師フランク・トゥーペロ。
物語は、フランスのカフェでエリーズが受け取った手紙から始まる。。。
手紙の主はマフィアのマネーロンダリングをしていて雲隠れした彼女の男から…
その手紙に従いながらエリーズは動き始める。
そして列車の中で指示に当てはまりそうなフランクに目をつけ***
〝自己アピール度旺盛のアンジー〟が、
本作でもそのワンショット、々、に、いかんなく反映されているのが分かる。
しかし、どうも私には本作での彼女が、ワンショットの都度それを「マイベスト」としていたのだろうか??「彼女自身、これでよし!(Ok!)」としたのだろうか??と信じ難かった。
★それは具体的にどういうことかといえば…
カメラがアップになった時の彼女のメイクや髪型に関してである。
私がメイクさんなら恐らく手直ししたくなるというか。「おっと、この髪の毛、こちらでないと変ですね」といた感じに。
要らぬお世話かもしれないが、『ソルト』での彼女があまりにも美しく素敵だっただけに、本作へのアンジーに対して私は個人的に…
★「アンジー、本当に貴女はこれでOKを出されたのですか?」と思ってしまうのだ。
しかし演技の役作りの上では、台詞まわしをとても静かに、穏やかに言っている辺り、彼女の努力がうかがえるし、またデップの飄々とした演技はここでも変わらず冴えている。
監督であるフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルクは、『善き人の為のソナタ』を手掛けた方。
だからか…?という先入観ではないが、この手のアクション系には今いち馴れていらっしゃらないような…?展開に、ややスピード感を欠く点や、アレクサンダーが誰なのかのミステリアス性が今いち乏しい展開が何とも惜しい限り。
ヴェネチアの風景を存分に満喫できる、
という意味では、ここはまさしく
《本作を観ている〝自分自身がツーリスト〟》となれる作品であることには間違いない。
懐かしい俳優さんとしてティモシー・ダルトンの顔が拝見できたこと、
そして個人的に好きなポール・ベタニーが好演していたことで「先ずは良し」とした作品だった。
- 感想投稿日 : 2014年10月10日
- 読了日 : 2014年10月10日
- 本棚登録日 : 2014年10月10日
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