カリフォルニアの砂漠地帯に聳える三本の奇岩を場所的な焦点とし、その周辺で生じたとされる神秘的なできごと(天使の出現、子供の神隠し)、先住民の伝承、白人による先住民の迫害、UFOカルトの盛衰、ヤク中のロックスターの災難やイラク出身の少女のエピソード、シク教徒の出自を持ちウォール街で働く夫とユダヤ系の妻、自閉症と診断されたその子供の人生などなどが、時系列ばらばらのまま語られていき、やがて何となく撚り合わさってゆく。アメリカにおける現代の諸問題をこれでもかと織り込み、あらゆる「トンデモ」言説の位相に絶妙に縫い留めてゆく手腕はみごと。
読書状況:読み終わった
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本・雑誌
- 感想投稿日 : 2015年5月25日
- 読了日 : 2015年5月25日
- 本棚登録日 : 2015年5月25日
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