樹里が、じいちゃんに
「過ぎた事を責めるのは もうお父さんに任せて
無理とか言うのナシ 約束して」
と言う言葉、家族にしかかけられない言葉だなと思った。
父親はリストラに遭って家でぼーっとしてても、長男がずっとニートでも、家族と言う属性があるからこそ、何とか役割を分担したりできる。
家族愛を前面に押し出している作品ではないが、家族がいるだけで「なんとかなるさ」と言う言葉が浮かんでくる。
一人で残ると決めた樹里の世界。
家族はいるけど「止まっている」世界で、たった一人、動いて、夕方6時59分を永遠にさまよう世界。「正気の基準」がない世界、命を手放すと言うより、自分を自分足らしめる「意識」を手放す瞬間、死とは違う概念でしかないかもしれないが、自分を自分たらしめるものとは何なのかを、深く考えずにはいられない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
青年漫画
- 感想投稿日 : 2021年4月14日
- 読了日 : 2021年4月14日
- 本棚登録日 : 2021年4月11日
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