冒頭からノックアウト。邪魔もの(藤本)が入って興醒めした桜井が早々に帰ってしまう姿に、思わず追い駆けた蓉一。本能が瞬間的に反応した行動だ。普段は人に関心を示さない、どこか人間味の薄いと言われるであろう蓉一が、自分から何かに向かって動いたのだ。しかも、木々を突っ切り、葉っぱだらけになりながら…
蓉一が桜井の顔を覗き込むのは、子供が興味をそそられたものを遠慮呵責なしにじーっと見つめる様に似ている。桜井が思わず触ってしまっても、それが性的なものだと察しない、蓉一は思春期以前で、恐らく、自分の外観が他人にどう見えているのかなんて、考えた事もない。ハーフブーツを履いてたりするが、蓉一、自分で服買ったりすんのか?!なんて事を考えざるを得なくなる。
誰かに、感情を強く持たれて体に触れられる事もなかった蓉一が、大学生になってやっと、ドカーンと思春期に突入した瞬間の、あの、頬を染めた顔。自分の身に何が起こったのか分からず、「これは一体何?!」と、思わず桜井にすがりついてしまう蓉一。無防備…あまりにも直球で、無防備だっ!!!桜井が蓉一にどうしようもなく惹かれていく様に、読んでる自分も引っ張られて…これぞBLの物語の力だっ!!!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
BL
- 感想投稿日 : 2013年10月7日
- 読了日 : 2010年9月24日
- 本棚登録日 : 2010年9月24日
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