くたばれ!!教えてちゃん!~パソコン便利屋にされた男の半生~

著者 :
  • 秀和システム (2004年12月18日発売)
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本棚登録 : 13
感想 : 4

5年前だから・・・、2005年の02月頃、買った本。
今回、何度目かの再読だけれど、パソコン関係のエピソードは、5年も経ってしまうと、やはり内容が少し(いや、「だいぶ」か)古くなっているのを感じた。
この本も、残念ながら、今では中古でしか手に入らないだろう。

本書は、書店でブラブラしているときに見つけて、思わずタイトル買いしたものだ。ウチの家族に読ませてやりたくて。
ちゃんと初心者用の入門書も買ってあげたのに、自分で調べようとせずに、すぐに私の携帯に電話をかけてきて、訳のわからない質問をしてくる妹。
おいおい、仕事中だってぇの!
何が聞きたいのか、本人がわかってないんだから、もちろん電話で答えられるはずもなく。
そんなことが、何回もあった。
お古のPCを彼女に譲るのではなかったと何度後悔したことか・・・。

私だって、専門的にパソコンについて勉強したわけではない。好きこそものの上手なれと言うではないか。いろいろとやりたいことが出てくると、いろいろと調べるわけで。その結果として、多少はパソコンが使えるようになっているというだけのことだ。
やりたいことがあるのなら、調べましょうよと言いたい。

人にものを教えてもらうっていうことは、その人の時間を奪うことだと思っている。だから、質問する前に準備をしなきゃいけない。急いで解決しなきゃいけない問題じゃないんだったら、自分で調べられるところは調べて、奪う時間をできるだけ短くする努力はしなければ。
今はネットで検索すれば、たいていのことは調べられるんだし。
だけど、いるんだ。
「知ってるんでしょ。すぐに教えられるでしょ。いいじゃん、そんなイジワルしなくてもさぁ。調べるの面倒なんだもん。教えてよ」って感じで質問してくる人。
でもって、そういう人に限って、おんなじ質問を、何度も何度も何度も・・・。

以前、業務システム運用関係の部署にいた。
電話で質問を受けることも多かったのだけれど、業務システムの内容以前に、パソコンの使い方教室のような質問が結構ある。
「パソコンからエクセルが消えた!」という電話が来たときには驚いた。
何事かと思えば、単にデスクトップからエクセルのアイコンが消えていただけのこと。

あと、キーの説明をしなければならないときは辛い。
「Altキーってわかります? えっと・・・、スペースキーの隣にあって・・・。あっ、スペースキーがわからない? あのですね、キーボードの下の方に、横長のキーがありますよね。いえいえ、違います。画面じゃなくて、キーボードをみてください。キーボードです。わかりますよね?」
こんなやりとりが延々と続く・・・(溜息)。

自分のいる部署って確か、業務システム運用担当だよね、パソコンのお客様サポートセンターじゃないよね、と何度自問自答したことかわからない。

今では、そんな質問も少なくなっているだろうが、6~7年前は普通にバンバンあったのだ。ちょうど職員全員にパソコンが配布された時期。定年間近の方々の中には、出勤してから終業時間まで、一度も起動しないというツワモノもいらした。

他のことだとそうでもないのに、コンピュータのことになると、すごく拒否反応を示して、自分では何にもしようとしない人も多い。最初っから、知ることを拒否してるようだ。
そのくせ、すっごく面倒な作業をポンっと依頼してくる。パソコンでやれば簡単でしょ?ってなもんだ。だったら自分でやってくれ、と思うよね。

おっと、本の感想ではなく、愚痴のオンパレードになってしまう(笑)。

本書には、そんな「教えてちゃん」がたくさん出てくる。
主人公:佐藤弘は、少々パソコンに興味のある男。
大学生時代に大学内部の情報処理室の管理アシスタントのバイトに就いたところから、彼と「教えてちゃん」との闘いは始まる。
就職しても、会社では便利屋さんと化す。
結婚しても、妻が簡単に受けてきたパソコン作業に休日を潰される。
パソコンに詳しくない主婦たちの違法ソフトコピーについてのエピソードもあるが、知らないって怖い・・・というか、強いわ(苦笑)。
子供ができたらできたで、ネチケットについての説教をするハメになる(しかし、なかなか理解してもらえず、憎まれ役になってしまう)。

そして、各章の後には”悪魔”と”天使”が「教えてちゃん」への対処方法を教えてくれる。
”悪魔”は「嫌なら最初っからしなきゃいいじゃん。パソコンが使えるってバラすから頼られるんだよ。人が困ってるのなんか、放っておけばいいんだよ」って態度。
”天使”は「あなたも最初は初心者だったんでしょ。そのときの気持ちを思いだしてね。ただ教えてあげるだけじゃダメなのよ。その人が自分でできるようになるまで面倒みてあげなきゃいけないわ」・・・。
う~ん・・・、わかっちゃいるけどね(苦笑)。

時々、自分でも「教えてちゃん」化しているんじゃないかと思うことがあってゾッとすることもあるけれど、その自分への反省も込めて、心からの叫びを。
「くたばれ!! 教えてちゃん!」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: IT・コンピュータ
感想投稿日 : 2011年2月16日
読了日 : 2010年6月12日
本棚登録日 : 2010年6月12日

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