政界汚染 (文春文庫 は 41-2 警視庁公安部・青山望)

著者 :
  • 文藝春秋 (2012年3月9日発売)
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感想 : 32
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警視庁公安部・青山望シリーズ第2弾。
今回も事件に絡む裏社会の事情や捜査に関連する情報が細部まで盛りだくさんで読み応えのある1冊だった。

複数の病院を経営する理事長:中村が選挙に立候補するも惜しくも落選。そのまま政治家への道は諦めようとしたが、繰り上げ当選で議員となる。政界素人の中村を利用しようと多方面から複数の人物が接触を図ってくるしし、選挙関係者の交通事故が立て続けに起こるしで前半から危険な香りがプンプンする。
欲望を隠しながら人のよさそうなこと言って近寄ってくる人はどこの世界にもいるんだな。

今回も同期カルテットが大活躍!
所属する部署を超えて真相解明・犯人逮捕のために惜しみなく情報共有する絆がなんか良い。
部署内では優秀と評価の高い藤中や大和田が捜査を通して自分の不得意分野を自覚し、素直に青山に質問して教えを乞う場面は素敵だと感じた。仕事ができる人は変なプライドなく相手を尊重して学ぶ姿勢がある人格者だ。

中盤以降も相変わらず登場人物が多くてわちゃわちゃした感じだったが、公安・刑事部それぞれが役割を全うして重要人物の逮捕に向けて着実に準備を進め逮捕に至るまでが気になってやっぱり読んでしまう。

今回も活躍した同期カルテットは、連続で実績を出して上司たちにもその存在を認識されているがすごい。
半年後には全員異動みたいなので、次回作ではまた違ったポジションでの活躍がみれるのか、楽しみ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2022年12月21日
読了日 : 2022年12月14日
本棚登録日 : 2022年12月11日

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