「自由」なんて聞こえはいいが、これほど「不自由」なものはない。
御一新から10年の根津遊廓。
武士の身分を失い遊廓の客引きとなった定九郎は、ただただやるせない日々を送っていた。
新政府の造り出した「自由」という厄介な柵に縛られながら…。
時折挟まれる落語や都々逸が物語の儚さをどんどん煽っていく。
捨てたはずの過去の柵の中でもがき逃げてばかりの定九郎。
それに対比するかのような花魁・小野菊の凛とした佇まいと華やかな笑顔が素敵!
時代の波に翻弄されても自分を見失わずに生きていきたい!
「自由」とは楽なようで、実はほんと難しい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
木内昇
- 感想投稿日 : 2017年8月17日
- 読了日 : 2017年3月24日
- 本棚登録日 : 2017年3月24日
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