烏に単は似合わない 八咫烏シリーズ 1

著者 :
  • 文藝春秋 (2012年6月26日発売)
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本棚登録 : 1264
感想 : 274
5

日本神話にも登場する「八咫烏」が支配する世界を描いたファンタジー。
平安時代の後宮を思わせる人物・舞台設定と、物語のミステリアスな進行が面白い。

すっかり騙された。
真相が分かった途端、可憐な笑顔の下に隠された女の強かさに鳥肌が立った。
振り返ると、確かにあの女は胡散臭い。
「悪意が無ければ、全てが許されるのだと知っている」女の怖さ。
そしてその女に対して、はっきりと拒絶の言葉を投げる男の爽快さに救われた。
幼馴染の悪友との再会と、花見台での笑顔の訳にきゅんとなった。

そんなもの着ても着なくても、何も変わってない、と。
お前はいつだって、一番強くて素敵だった、と。

ラストの文章で表題の意味が分かる。
このシリーズはこのまま追いかけていきたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 阿部智里
感想投稿日 : 2019年5月29日
読了日 : 2019年5月29日
本棚登録日 : 2019年5月27日

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