シリーズ第2弾。
ビストロ〈パ・マル〉のスタッフの人柄がよく分かる話が多くて、ますますこのシリーズのファンになった。
この店が実際に存在したら、一人でも気楽に行けそうな気がする。
普段は無口で頑固な三舟シェフの、料理人としてのプライドがカッコいいし、料理を食べる人のことを第一に考える姿勢も素敵。そして完璧に見えて実はそうでもない隙のあるところや、若かりし頃のフランスでの修行時代の話からシェフの人となりも分かって、前より一層魅力的に思えた。
だから他のスタッフや大勢の常連客に慕われていて、店が居心地のいい場所になっているのだろう。
それにしてもスタッフ唯一の女性、ソムリエ・金子さんの読みの鋭さにはいつも感心する。
『ブーランジュリーのメロンパン』も好き。若きパン職人の女性の、突然の失踪の謎にうるっとなった。お洒落な本格的フランスパンもいいけれど、昔ながらのおかずパンも馴染みがあっていいよね〜。
そしてシェフ特製のブイヤベース!これは読んでいるだけでもお腹か鳴る!
パ・マル。
日本語で言うなら「悪くない」という、どちらかと言えばマイナスに受け止められるこの言葉でとても温かい気持ちになれたのは、三舟シェフの人徳のお陰かもね。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
近藤史恵
- 感想投稿日 : 2021年11月28日
- 読了日 : 2021年11月28日
- 本棚登録日 : 2021年11月27日
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