一匹の犬・コーシローが見守る高校時代。
毎年桜の季節になると思い出す、あの頃の自分…アオハルだなー。
青い季節を懸命に駆け抜ける高校生達の姿は眩しすぎてクラクラしてきた。
自身の高校時代の思い出と照らし合わせ、くすぐったいやら恥ずかしいやら。
あの貴重な3年間は、自分の殻を破り巣立つための準備期間。
笑って泣いて怒って悩んで、大人ぶって子供ぶって、とまさに怒濤の3年間。
けれどみんなそうやって自分の道を決め大人に向けて進んでいく。
12年という長い期間を高校で暮らしたコーシローは、高校生達の瑞々しいアオハルを見守り続け、巣立ったみんなの帰りをいつまでも待っていてくれた。
そんなコーシローの無償の優しさがじわじわ伝わってくる。
高校3年間という限られた青春時代とともに、平成という一つの激変の時代を振り返る連作短編集。
メインの二人と歳が近かったので、出てくる出来事や流行りの物にいちいち反応してしまう。
とても懐かしい読書となった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
伊吹有喜
- 感想投稿日 : 2021年1月23日
- 読了日 : 2021年1月23日
- 本棚登録日 : 2021年1月21日
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