夜が暗いとはかぎらない

著者 :
  • ポプラ社 (2019年4月11日発売)
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本棚登録 : 2030
感想 : 190
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「朝が明るいとは限らない。どんなことがあっても、時間がめぐれば朝はかならずやって来てしまう。ままならぬ思いや不安を抱えて迎える朝はたくさんある。生きていれば、いくたびも」
やることなすこと何故か空回りしてしまう、ままならない日常を送る人達は世の中にごまんといる。
そんな、朝が来ることを恐れて夜を安らかに過ごせない人達の背中を、そっと優しく押してくれる言葉が沢山綴られている連作短編集。

一般的には朝は明るく夜は暗い、と言われる。
けれど朝が明るいとは限らない、とその日その日をなんとか乗り切ろうと奮闘する人達よ。
そんなに思い詰めないで。
肩の力を抜いて。
大丈夫、頑張り過ぎないで。

明るい暗いは関係ない。
朝が来て夜が来る、ただそれだけのことなのだから。
不安に駆られた人達の気持ちを受け止めそっと励ましてくれる、そんな優しさの連鎖が読んでいて心地好かった。

困っている人を助けてくれる、しっぽを掴むと幸せになれる、と噂の「あかつきマーケット」のゆるキャラ「あかつきん」。
私も「あかつきん」のしっぽを掴みに行きたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 寺地はるな
感想投稿日 : 2019年8月16日
読了日 : 2019年8月16日
本棚登録日 : 2019年8月14日

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