主人公:多江子の優しさと男らしさに心が動かされる。
戦時中の上海という大きなスケールを舞台に、
カルマ、人間の感情と醜さと美しさを織り交ぜて描いているあたりに、
感謝の念すらわいた。
著者の山口さんはきっと、優しい人なのだろう。
画家や作家は往々にして、困っている人や悪い人でも放っておけない性分である。
特に、ラストの“絵”を“文”として考えてみると、とても納得がいった。
これから書きますと宣言しているかのよう。
とにかく、泣けるのに潔い爽快感のあるラストだった。
傑作です。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2017年5月2日
- 読了日 : 2017年5月2日
- 本棚登録日 : 2017年4月23日
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