月下上海

著者 :
  • 文藝春秋 (2013年6月24日発売)
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本棚登録 : 783
感想 : 131
5

主人公:多江子の優しさと男らしさに心が動かされる。
戦時中の上海という大きなスケールを舞台に、
カルマ、人間の感情と醜さと美しさを織り交ぜて描いているあたりに、
感謝の念すらわいた。
著者の山口さんはきっと、優しい人なのだろう。
画家や作家は往々にして、困っている人や悪い人でも放っておけない性分である。
特に、ラストの“絵”を“文”として考えてみると、とても納得がいった。
これから書きますと宣言しているかのよう。
とにかく、泣けるのに潔い爽快感のあるラストだった。
傑作です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2017年5月2日
読了日 : 2017年5月2日
本棚登録日 : 2017年4月23日

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