真実の10メートル手前

著者 :
  • 東京創元社 (2015年12月20日発売)
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フリージャーナリスト太刀洗万智が、取材を進める中、事件の小さな綻びが見えてくる。あとがきで、他の本の登場人物というのを知って、読む順もちょっと考えたのですが、この本から読んでみました。
大きな謎ではなく、ちょっとした点から、違和感がわかり、真実がわかる6編の短編集。。スッキリというよりは、ちょっと後味が悪い感じや、なんとなくスッキリ感がないのは、米澤さんの特徴でもあるし、主人公のキャラクターもあるのだろう。

印象に残ったのは、「名を刻む死」。一人暮らしの男性の死とその第一発見者の少年。少しずつ新事実がわかる中、少年の気持ちは。表題にもなっている男性の考え方と、少年に対する太刀洗の対応が印象に残った。身近で発声したことに対して、当事者たちだけでなく、周りの気持ちも含めて、影響があることが、気になる。

記者としての複雑な心情も描かれるし、表目上の対応よりも人間的な面があるのがわかるときともあるのだが、どうもこの主人公に乗れない点があった。長編を読むのは、厳しいかなと思いつつも、ちょっと読んでみたいと思ったりもしている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年11月14日
読了日 : 2020年11月14日
本棚登録日 : 2020年11月1日

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