またやられた!また難問を突きつけられてしまった。
私にはめちゃくちゃ可愛がって育ててきた息子と娘がいます。今でも可愛くてしょうがない子どもたち。さて、自分の子どもを無惨に殺されたあなたは犯人を許すことができますか?
私はもちろんNO。その犯人を許せないし、この手で殺してやりたいと思う。
さて、物語を読んでいきましょう。教誨師の宗佑には妊娠中の娘がいた。訳あって娘には父親とは名乗っていなかったが、近くにいて相談事を聞いたりと寄り添ってきた。
その娘が、ある日突然、残虐な犯行によって命を奪われてしまう。犯人は前にも同じような手口で若い女を殺していて、全く反省がないまま死刑を望んでいた。
宗佑は犯人に復讐するため、生きる希望を導き出し、最後に地獄に落とすべく犯人が入る拘置所に教誨師として入り込むが・・・。
犯人である石原は、初め若い女を殺すことに喜びを感じ、拘置所に入ってからは、その楽しみもなく、早く死刑を望んでいたが、宗佑の教誨を受けるようになり、次第に人間らしさを取り戻していく。
もちろん自分の身になって考えると許せるはずもないのだが、読み進めていくうちに、石原を許してしまいそうな自分が出てきてしまうものだから、薬丸岳の手のひらのうえで転がされていることに気付く。それにしても深い。そして思いっきり重い。
薬丸岳は2冊連続では読めそうにない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリ
- 感想投稿日 : 2023年7月8日
- 読了日 : 2023年7月8日
- 本棚登録日 : 2023年5月20日
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