好きな作家の横関大。『著者最高傑作』と帯にあり、期待して読んだが、傑作ではあったが、最高傑作ではなかったかなというのが正直な感想。もちろん面白くないということではなく、横関大はこんなもんじゃないというのが本当のところ。
東京レガシー卓球という大会に出場している毛利翼という中国の補欠選手、なぜか背中に日本の国旗を背負っていた。
この謎もさることながら、この後の展開がめちゃくちゃ面白い。
毛利翼は幼少期、虐待に遭っていて、アパートの隣に住むカップルに助けられる。
小学5年生の三崎啓介は、クラスで目立つ存在で、勉強も運動も1番だった。もうすぐ運動会ということで、リレーのアンカー決めがあり、三崎を脅かす人間が現れた。毛利翼だ。
初め翼を敵視していた三崎だが、やがて翼と打ち解け合うようになる。
三崎は家庭の事情により引越しをすることになるのだが、その後も翼とは交流を深めていく。
そして現在、この大会に出ているのは翼なのか。ところが、翼は6年前に殺人の容疑で刑務所に入っていることが明らかになる。この毛利翼という選手は一体誰なのか。何の目的で翼の名前を語って出場しているのか。
青春やミステリや恋愛といった美味しいところを存分に盛り込まれた1冊。十分に堪能できたが、それでも思う。横関大はこんなもんじゃない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリ(青春)
- 感想投稿日 : 2023年10月23日
- 読了日 : 2023年10月23日
- 本棚登録日 : 2023年9月23日
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コメント 2件
ゆきさんのコメント
2023/10/23
ひとしさんのコメント
2023/10/26