モンゴルと大明帝国 (講談社学術文庫)

  • 講談社 (1998年2月10日発売)
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本棚登録 : 70
感想 : 5
4

[評価]
★★★★☆ 星4つ

[感想]
中国の元と明が本書では扱われている。征服王朝という単語を初めて聞いた。
元は元寇としては知っているがそれ以外となるとマルコ・ポーロの東方見聞録での関連でしか知らなかったけれど、その成立はなかなか面白かった。
単にモンゴルが支配したということではなくチンギス・ハーン死後の子供達への領土分配の結果、東アジア地域が紆余曲折を経て元となった事を知ることができた。
また、元が紙幣を発行していることには驚いたし、前例に無いことを行っているのは征服王朝故であろうかと思う。
明は元を打倒し、初期は北方侵攻や海洋進出などの大規模な外部進出を実施し、途中から内政充実に移行したようであるが260年近くも統治していたからか様々な文化や生産物が生まれ、陽明学という新たな思想も誕生しており、文明が新たな段階へと進むために必要な期間だったのだろうと思う。この部分を読んでいると日本の江戸時代との類似性を感じた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年12月22日
読了日 : 2016年4月18日
本棚登録日 : 2018年12月22日

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