戦争の世界史(上) (中公文庫 マ 10-5)

  • 中央公論新社 (2014年1月23日発売)
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感想 : 25
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中国とヨーロッパを対比させながら、文章を進めていたのが面白かった。
基本的に文官が武官の上に存在し、儒教の思想により国が経済を統制し続けた中国が画期的な技術や自由な交易の発展を阻害してしまったのに対し、複数の国家が存在したおかげで競争が生まれ、持続的な発展を遂げることができたのは何たる皮肉だろうか。
国家の統制が上手く行っていた方が結果的に発展が遅れてしまうとはね。
そう考えるとヨーロッパ、アメリカからは大きく離れ、中国とは交流できるが直接的な繋がりの少ない日本列島の位置は恵まれているな。
銃や大砲の製造にも歴史がある事も感じたな。蒸気機関の登場が大砲の生産に影響を与えるとは思わなかったよ。戦国日本では精度の低いものしか作れないんだろうな。
細かい話だけど、ナッサウ伯マウリッツの火縄銃を後退しながら撃つ背進攻撃(カウンター・マーチ)、戦国大名の島津家が火縄銃を前進しながら撃つ繰り詰めと似た戦術がヨーロッパとアジアで同時期に生まれていたことはすごく興味を持たされた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2018年12月22日
読了日 : 2014年11月5日
本棚登録日 : 2018年12月22日

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