「かつてシャンゼリゼで漠然と気づいたことで、その後もっとよく理解できるようになったことがある。それによると、ある女性を愛しているとき、われわれは相手に自分の心の状態を投影しているだけであり、それゆえ重要なのはその女性の価値ではなく自分の心の状態の深さであり、それゆえつまらぬ娘の与えてくれる感動のほうが、優れた人と話したり、いや、その作品を賞讃をこめて眺めたりすることで与えられる喜びよりも、われわれ自身のずっと内密で個人的や、また深遠で本質的な部分を意識のうえに浮かびあがらせることがあるのだ」p.415
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- 感想投稿日 : 2022年4月20日
- 読了日 : 2022年4月16日
- 本棚登録日 : 2022年4月16日
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