コンクリートを作る原料として必須の砂を巡る世界的な奪い合いやそれにまつわる犯罪などを解説している。砂と言えば砂漠化の進行を防ぐ話題しか思い付かなかったが、資源としての砂の奪い合いが起きているとは思わず、なかなか衝撃を受けた。ちなみに砂漠の砂では角が取れ過ぎていてコンクリートの材料にはなれず、形が色々な砂でないと使えないらしい。
特に衝撃だったのは、「砂マフィア」の存在や、砂の輸出入とその制限が各国で発生していること。本書のタイトルそのままに、砂の違法売買と政治家や警察まで取り込んだマフィアの暗躍、それを糾弾する人達の暗殺など、砂はもはや貴重な資源であり、利権や犯罪の温床にさえなっていることだ。
締め括りは砂に限らず、人類が様々な資源をここ数十年で一気に使い込んでいることへの警鐘を鳴らしている。本書を書いた時点で筆者は80歳。今後の世代のことを深く心配している。
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- 感想投稿日 : 2023年6月18日
- 読了日 : 2023年6月18日
- 本棚登録日 : 2023年6月18日
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