巨匠の出世作<夜来たる>を含む5篇を収録した短篇集。圧倒的な名声を誇る表題作だが、一発アイデアものとしての面白さはあるものの、そこまで衝撃には感じなかった。最初からオチが見えていて、特にひねりもないし。ただ見せ方がうまいので最後の感動はあり、今ひとつのめり込めなかったのはリアルタイムで読んでいた世代との感性の違いということだろうか。全体的に「面白いけど昔のSF」という感じを受けるが、執筆順に収まっているということで、5作のうち後半に進むほどクオリティは高まっているように思う。特に最後の<C-シュート>は宇宙船外活動での緊張感と、閉ざされた環境での人間関係の移り変わりが非常に面白い。なお、本短篇集の日本語訳は2分冊となっており、後半は『サリーはわが恋人』のタイトルで出ているとのこと。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2021年8月8日
- 読了日 : 2021年8月8日
- 本棚登録日 : 2021年4月23日
みんなの感想をみる