映画「ペイチェック 消された記憶」の原作短篇を収録した短篇傑作選。前半の小品はフレドリック・ブラウンや星新一のショート・ショートを彷彿とさせる、シュールだったりシニカルな作風が続く。後半の三作が絶品。ストレートなタイトルの<超能力世界>はそのままアニメ化できそうな設定の面白さ、映像の華麗さが印象的。でかぶつや息子などのキャラクターが立っていて、ヒロインも魅力的なので個人的には本書で一番推し。映画化された<ペイチェック>はスリリングなサスペンス・アクション。途中である程度結末が見えるものの、読後感はよし。表題作<変数人間>は発想の面白さで唸らせるSF。終盤がやや強引にも思えるが、エンターテイメントとしてばっちり締めてくれた。これもそのうち映画化されそう。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年4月15日
- 読了日 : 2021年4月15日
- 本棚登録日 : 2021年2月23日
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