死者の代弁者[新訳版](上) (ハヤカワ文庫SF)

  • 早川書房 (2015年4月8日発売)
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本棚登録 : 164
感想 : 11
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「エンダーのゲーム」続編。前作はバトル・アクションの側面が強かったが、本作では様々なジャンルを包括した緻密な構成のストーリーが魅力的だ。3000年を旅したエンダーは、伝説の存在が最強の力を備えて宇宙人の秘密を抱え、正体を隠して一般人の中で縦横無尽に活躍するという、なろう小説の主人公感がハンパない。しかしそこに説得力をもたせることに成功しているのが見事で、天才を書くのはやはり天才なのかと作者の力量に感服。ルシタニア星とピギー族をめぐる謎、リベイラ家の秘密などが強く興味を引き、精密なSF設定とミステリーのブレンドが最高に面白い。心理学や宗教性などの要素も色濃く、泣けるシーンも多い。小説としては「エンダーのゲーム」より面白いけど、映像化は難しそうだなぁ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年11月8日
読了日 : 2021年11月8日
本棚登録日 : 2021年10月7日

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