分水嶺 ドキュメント コロナ対策専門家会議

著者 :
  • 岩波書店 (2021年4月8日発売)
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感想 : 51
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●日本は何度でもチャンスがあった。それを幾度も逃してしまったからです。度重なる震災の時も、SARSや新型インフルエンザパンデミックの時も同じことを言い続けてきた。保健所や自治体の機能強化や人員の拡充、PCR検査能力の強化、リスクコミニケーション…鴨長明の方丈記にも、喉元を過ぎれば人はすぐに忘れてしまう、と書かれてある。
●専門家会議。国から頼まれてもしないのに専門家独自で、見解を発表したり、会見をするなんて普通はやらないわけです。政府の政策決定のプロセスが見えず会議の議事録が公開されないこともあり、本来は対策を決定する立場にない専門家会議が、批判の矢面に立たされることになる。
●尾身副会長は、自治医大卒、WHOで活躍し、ポリオを根絶させた人物。
●多くの人は誰にも感染させないが、例外的に1人が多数に感染させる例がある可能性に気づいた。多くの人が誰にも感染させていないのに流行が大きく広がっていると言う事は、1部のスーパースプレッダーがいると言うこと。
●情報を単純化して白かっ黒に分けるのではなくて、ありのままを、難しいなら難しいと伝えるべきなのです。ここで何もしないと感染が爆発的に拡大してしまう、完全には防御できません。それをどれだけ抑制できるかの瀬戸際なのです。
●厚労省はまず見解の文章を確認したい。それを下から上層部に順次上げていかなければならないと言う。「こういう時に忖度が起こるんだ」「今こそ我々の分水嶺ですね」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 健康運動医療食事
感想投稿日 : 2021年7月21日
読了日 : 2021年7月21日
本棚登録日 : 2021年7月20日

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