罪を償うということ: 自ら獄死を選んだ無期懲役囚の覚悟 (小学館新書 み 11-1)

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  • 小学館 (2021年4月1日発売)
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●LB(longとB)級刑務所。長期の凶悪犯が入る。2009年までは、旭川、岐阜、徳島、熊本、今は増えた。女子W外国人F26歳未満Y精神障害M身体障害P。
●全国で60カ所以上あり、2007年6月1日に施行された「刑事収容施設及び非収容者等の処遇に関する法律」は明治41年の「監獄法」以来の改正で、従来より受刑者の権利や生活が大きく変わりました。
●女性受刑者の65歳以上は15%とあり、増えています。詐欺が多くなるのが特徴ですが、無銭飲食のこと。再犯となれば、たかだか1000円程度の無銭飲食でも2 〜3年の懲役刑となります。
●北海道は人気。涼しいわ優しい。
●毎日テレビが見れて休みは映画。
●無期懲役刑受刑者の仮釈放は今では30年以上と厳罰化されている。有期刑の上限が30年に伸びたから。無期囚は2017年末時点で全国で1800人ぐらいいる。
● 1線を超える受刑者と普通の違いは、エゴイズムの強さと倫理観の欠如。受刑者にとって自分の行為は「常に正しい」。それらは「お仕事」であり、「生きるための手段」と言う捉え方をしている。だからそれを邪魔して捕まえよう通報しようとする相手は悪にしか見えません。
●保護会。更生保護施設として全国に103カ所あり、主要店は2385人です。毎年の出社はおおむね2万人と言うことでとても足りるものではありません。食費のみ1日1000円必要。
●刑務所にいる受刑者は、IQ 100の人が約8%弱しかなく、大半がそうでない人なのでよほどでない限り目立ちません。
●覚せい剤犯罪者に至っては、定期的に服役するから、肝臓など回復するわけで、服役なしでは体がもたないでしょう。
●「それは法的な罰に対して務めただけで、命を奪ったことへの償いにはなりません。償いとは生きて返すことであり、殺人罪に償いはありません」
●死刑の抑止力。モンテスキュー「被害者遺族に対して、救済しよう、応報感情を満たしてやろうという刑罰が無ければ、法の下の正義とは何か?」
ヘーゲル「我々の行為の戒律が普遍的であるかのように振る舞うことだとするならば、彼を殺すことは、彼の選択した戒律を施すことであり、彼の行為を普遍性として認めることに他ならない」


読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会(犯罪労働世代地方)
感想投稿日 : 2021年9月21日
読了日 : 2021年9月21日
本棚登録日 : 2021年9月13日

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