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●とりわけ、知性が高く、教養がある馬鹿には要注意だ。読書から得た知識を武器にして、1冊の本、1つのイデオロギー、あるいは偉人(馬鹿だったりそうでなかったりする)の発言の引用などを盾に、多くの書物を焚書にし、その著者を弾圧する。
●馬鹿を更生させようとすればするほど、ますますレベルアップする。「自分は不当に妨害された被害者だ」「やっぱり自分は正しかったのだ」と馬鹿を喜ばせてしまうだけだ。自分は反体制派のヒーローで、レジスタンス運動家で、人々の同情と尊敬に値する人間だ」と思い込ませてしまう。
●アジアの国々では「ダニング=クルーガー効果」と全く逆の現象が起きていると言う。彼らは自らの能力を過小評価する傾向が強いらしいのだ。自分の能力をひけらかさず、何でもできると自慢したりはしない。
●バカとは知性の欠如ではない。アルゴリズム的知性が高くても、合理的知性が低いとバカげた意思決定をする。
●人間は必ずしも最大の利益を求めるわけでも、常に合理的な行動をするわけでもない。私たちの思考は「バイアス」だらけであることが判明した。どうやら私たちは、いつもいきあたりばったりに考えたり判断したりしているらしい。
●認知バイアスは馬鹿ではない。脳の情報処理と思考における様々な「傾向」だ。論理や確率論におけるルール違反をするせいで、時に私たちは誤った方向へ導くこともあるが、基本的には非常に実用的なスピーディーな判断をするためのショートカットである。脳の情報処理にバイアスがかかる事は、決して知性の欠如を意味しない。
● SNSは似通ったグループ同士の境界線をなくし、プライベートや内輪だけのやりとりと公共の場との違いを曖昧にして、人前で言って良いことと悪いことの区別をつきにくくしてしまった。
● SNSの特徴は、何でも手当たり次第に他人を裁こうとする傾向だ。1980年ミシェルフーコーはこのように述べている。なぜ人間はこんなにも他人を裁くのが好きなのか。おそらく、人類に与えられた最も簡単にできることの1つだからだろう。その他①生活のスペクタクル化③有名になりたいと言う欲求…こうしたSNSの3つの特徴は「悪意の先験的条件」であるのと同時に、「バカの先験的条件」と言えるのかもしれない。
●デジタルメディアは知能を多元的に成長させられると言う点で非常に優れたツール。ただし人間の脳は何千年単位でゆっくりと進化しています。わずか数十年前に出現し数年単位で進歩するテクノロジーに対してすぐに順応できるはずがないのです。ですから私は「デジタル脳」などと言う今時の考え方には賛同できかねます。
●「うんこな議論」彼らは、いかなる状況においても、あらゆる手段を使って、自分が損をしないようにうまく切り抜けようとする。正しい情報を何一つもたらさず、中身がある事は何も言っていないのに、素晴らしいことを言っているかのように振る舞う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 自己啓発仕事
感想投稿日 : 2020年12月7日
読了日 : 2020年12月6日
本棚登録日 : 2020年11月4日

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