イノベーションへの解

  • 翔泳社 (2003年12月12日発売)
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顧客そのものではなく、顧客が置かれている状況、求めている成果でセグメントする。

ニーズは片付けるべき用事。

シェークは朝はドライブのお供に、夜は子供へのご褒美に雇われていた。同じ商品でも求められている成果が違う。これが属性でセグメントできない理由。

シェークは競合のシェークの売上を奪ってもシェア獲得にならない。単なる値引き競争を生むだけ。無消費や仕方なく使われている他の商品の売上を奪う必要がある。(求人なら派遣?)

コダックの使い捨てカメラ。画質はイマイチだったが、ユーザーは『写真が1枚もないこと』に比較の基盤を置いたため、この画質で満足した。(シェークのカロリーが気にならないのと同じ)

機能を付けすぎるとコモディティ化する。しかし企業はそうした失敗を繰り返す。背景には、的を絞ることへの不安、定量的分析の要求、チャネル構造、広告が製品のターゲットを状況ではなく顧客にしていることの対象の4つがある。

デジカメは売れるのに、赤目補正のソフトは売れない。結局、写真のクオリティは思い出を残すこと以上には求められないケースが多い。

解決すべき用事の優先順位が、商品によって変化することはほとんどない。無消費者なら余計に。

用事を片付けたいが、市販製品が高すぎたり、複雑すぎるため、自力でできずにいる時に無消費は発生する。彼らは不便で高くつく方法、または満足いかない方法でそれを片付けることに甘んじるしかない。

規模が実証できるのはすでに存在する確立した市場であり、資源獲得のため社内起業家が説得力のある論拠を示そうとすること自体が間違い。

組織にある価値基準が破壊する者とされる者の間にある。ある組織で評価されないことが、別の組織で評価される。ここにモチベーションの非対称性が生まれる。

成長率25%を持続するためには、売上高4000万の会社は1000万でいいが、4000億の会社は1000億が必要。この会社には1000万にうまみを感じなくなる。

組織の能力は最初は人材にある。それが成功を収めて成熟するにつれてプロセスや価値基準となり、企業文化になっていく。そうなると『当たり前』が生まれ、変革は困難になっていく。

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感想投稿日 : 2014年1月27日
読了日 : 2014年1月27日
本棚登録日 : 2014年1月27日

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