日銀はいつからスーパーマンになったのか

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062188166

作品紹介・あらすじ

水戸黄門でもスーパーマンでも、普段は冴えない一般人が超人に変身し、悪者を退治する。「アベノミクス」というのは、まさにこれにハマった格好だ。「悪いのは日銀だ」とわかりやすく敵を見つけ出す。必殺技は「三本の矢」。
経済政策の現場でもこうした「超人バイアス」が認められる。しかし、権力者にそういう力はあるのだろうか。熟柿が勝手に落ちたのを、あたかも「自分が木をゆすったからだ」と言う人間の言葉をそのまま伝える必要はない。それを、「すごいですねー」と持ち上げてばかりいると、今度は、私たちが「落ちた柿の実を枝につけろ」と、無理を期待するようになる。 世界経済の流れを見ることなしに日本だけを見ているなら、「株高も円安もアベノミクスのおかげ」という話になってしまう。
絶望した大衆が生む「政府日銀超人伝説」の正体と、日本が真の意味で浮上するために必要なことは何か、日本を代表するトップストラテジストが説く!

感想・レビュー・書評

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  • 秀作だが一作目「ROE」が圧倒的 二番煎じは難しい
    新しい発見
    1.日本人は預貯金中心でリスクを回避 金融資産→投資へ
     実物資産を含めると米と変わらず(125) 視野は広く!
    2.外国人持株比率 5%('90)→30%('05)
      1/PER 2% 50倍→10%10倍
    3.ケイ・レビュー 資本主義の限界=短期経営
     金融資産の経営へ リストラ・M&A
    4.日本的経営の本質=雇用形態 年功・終身・組合
     人口ボーナス期の特殊 ウェラ化粧品(85年)
     短視眼的対処 非正規雇用→所得減・消費減・能力減
    5.革新の危うさ→愚直な保守
     ヒトラー・アベノミクス 国を滅ぼす 失うモノない
     →誠実・真摯さ 白川総裁・大平正芳
    6.国民はスーパーマンを求める
     ウルトラC 手品のような解決を
     満州事変・国際連盟脱退・日中戦争・太平洋戦争

  • 相変わらずの切れ味。日本経済にいま何が起こっているのか、あらゆるノイズを取り払って本当の姿を見つめなおす。保守再生、労働組合強化、など示唆に富む。こわいのは「アベノミクスで景気回復」を鵜呑みにして思考停止に陥ってしまうこと。自分の頭で考え続けなければ。

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著者プロフィール

バークレイズ証券株式会社マネージング・ディレクター、日本株チーフ・ストラテジスト。
1982年、大阪大学法学部卒業後、三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。資金証券部、ニューヨーク支店を経て、1991年より為替資金部にて為替アナリストに。1997年より東京三菱証券(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)にて株式ストラテジストを担当。2006年に株式調査部チーフストラテジストとしてJPモルガン証券株式会社に入社。2013年、バークレイズ証券に入社。米国『インスティテューショナル・インベスター』誌の株式ストラテジスト部門で3回にわたり1位にランクされる。
著書に 『なぜグローバリゼーションで豊かになれないのか――企業と家計に、いま必要な金融力』(ダイヤモンド社)、 『おじいさんは山へ金儲けに――時として、投資は希望を生む』 (村上龍氏、山崎元氏らと共著、幻冬舎文庫)、『デフレの真犯人――脱ROE〔株主資本利益率〕革命で甦る日本』(講談社)がある。

「2014年 『日銀はいつからスーパーマンになったのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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