初の小松左京作品だが、
書かれてから何十年と経っているにもかかわらず
全く色褪せない傑作を読み終えた満足感に胸がいっぱい。
終末・破局ものというジャンルに位置づけられるが
どうして終末を迎えてしまったのかという原因と
どのようにして終末に至っていったかという過程の
描写が緻密かつ秀逸で、
終末ものというジャンルは今でも数が多いが
今の作品群とは比較にならないくらい
設定と描写が練りこまれている。
良くも悪くも単なるSF娯楽小説に留まらない
作者による文明論、人類論、ヒューマニズムが
色濃く投影されていて、昨今の小説では
そういった作品が少なくなっているだけに
好き嫌いはあるだろうが、
作品に深みを与えていたように思う。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
SF小説
- 感想投稿日 : 2014年12月20日
- 読了日 : 2014年12月20日
- 本棚登録日 : 2014年12月20日
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