復活の日 (ハルキ文庫 こ 1-2)

著者 :
  • 角川春樹事務所 (1998年1月1日発売)
4.03
  • (86)
  • (69)
  • (59)
  • (9)
  • (1)
本棚登録 : 671
感想 : 83
5

初の小松左京作品だが、
書かれてから何十年と経っているにもかかわらず
全く色褪せない傑作を読み終えた満足感に胸がいっぱい。

終末・破局ものというジャンルに位置づけられるが
どうして終末を迎えてしまったのかという原因と
どのようにして終末に至っていったかという過程の
描写が緻密かつ秀逸で、
終末ものというジャンルは今でも数が多いが
今の作品群とは比較にならないくらい
設定と描写が練りこまれている。

良くも悪くも単なるSF娯楽小説に留まらない
作者による文明論、人類論、ヒューマニズムが
色濃く投影されていて、昨今の小説では
そういった作品が少なくなっているだけに
好き嫌いはあるだろうが、
作品に深みを与えていたように思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: SF小説
感想投稿日 : 2014年12月20日
読了日 : 2014年12月20日
本棚登録日 : 2014年12月20日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする