理系のための人生設計ガイド―経済的自立から教授選、会社設立まで (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社 (2008年4月22日発売)
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理系一流研究者としていかに生きるか、仕事をするか。眼科医研究者としてトップの坪田さんに学ぶ

●感想
 たまには本書のような「エナジードリンク」を読むのもいい。読むと活力がもらえる。
 「理系の研究者として飯を食う、生きる!」ということを心に決めている人をターゲットにした本。慶応義塾大学医学部教授の坪田さんが、自身の経験をもとに、人生設計の仕方を教えてくれる。さすが作家として本もたくさんだしているだけあって、非常に読みやすい。私は経済学部卒のITエンジニアなので、本書の直接ターゲットする所ではないけれど「研究者」の生き方に関心があったので、面白く読めた。
 坪田さんのように、「~なコトで生きる!飯を食う」という生業は決定できていない。ただ、いざやりたいことができたら、強かに戦略、設計をして歩んでいくことが大切なのだと学んだ。研究者・作家として「超一流(と私は思う)」の坪田さんは、ある程度戦略的に、計画的に人生を進めてきたことが分かる。もちろん、計画通りにいくことばかりじゃないだろうけど「願わないことは叶わない」のも真理。「これ、ちょっとやってみたいかも」ということには、積極的に取り組んでいきたいと思う。


●本書を読みながら気になった記述・コト
◆「太ると論文が読めなくなることに気づいていたから、体重の管理をしていた」
 坪田さんは自分の体重が64kgを超えると、すぐに眠くなることに学生時代から気づいていたという。なるほど。「自分にとっての最適な体重は何キロか」という視点は無かった。体重のマネジメントも意識的に行っていこう

◆「バリュー」「ミッション」「ストラテジー」を持って生きる
 私のバリューは「変化し続ける」ことである。ミッションは「良いものを作って外界に良い変化を与える」ことだ。ストラテジーは、現職に当てはめると「無駄な作業・行為をなくすシステムを開発する」ということになる。これらの指針は日々の潤いになりうるものだと思うので、毎年の振り返りの中で意識して設定していきたい。

◆お金と資産を得るために本を書く
 医療研究者として著名な坪田さんだが、それは多くの一般向け著作があることが大きいと思う。それも、収入を得るためにあえて戦略的に書いたという。

◆資産に投資する。その中でも、一番大事な資産は「自分」である
 お金を生み出す資産の中でも、その能力が一番高いのは「自分」である。

◆自分の好きな「ポスト」を得るために
 ①その場所に行きたいということを頻繫に口にする。②自分から売り込みにいく

◆1年単位で時間配分を考える
 「自分にとって大切なこと」を見失わないために、自分が大切だと思うことで時間配分をしよう。著者の例を挙げると「
教育:教授ランチ講演、ミニ講義、後期研修医講義、講演 10%
臨床:角膜移植と白内障オペ。外来は多数のVIP。臨床研究 20%
研究 :ドライアイG研究。抗加齢と再生医学の研究推進 20%
教授職:財政、人事、システム構築、寄付講座準備、院内業務、学会業務 50%」
となる。年間の中での時間配分を考えた経験はなかったため、参考になった。

◆ポリティカルコレクトに配慮する → 時には自分の信条を置いておき、世間の倫理感に配慮した行動をとる
・教授選挙のときは、毎年恒例の「今年の十大ニュース(教授になる ということを書いた)」が記載されている年賀状送付を控えた → 「社会常識に配慮する」ことの大切さ

◆理不尽で制御できないトラブルは起きてしまう。発生したときに誠実に対応することが大切

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年9月27日
読了日 : 2020年9月27日
本棚登録日 : 2020年9月27日

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