職業としてのAV女優 (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎 (2012年5月30日発売)
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競争が激しいAV女優の世界。撮影環境の治安は良くなってきたが...

●感想
 一つの職業としてAV女優を取り上げる。AV女優も資本主義的構造になっており興味深い。AV女優はアイドル業界、芸能界と同じく競争が激しくなっている。昔のように簡単に稼げる職業ではなくなった。多くの新人が毎年登場し、たくさんの人が消えていく。恵比寿マスカッツのような、一般人にも認知されるようなAV女優は皆「単体女優」と言われるトップ層。むろん、その地位まで上り詰められるAV女優は少ない。撮影環境の安全性が上がった分、応募も増えているのだろうか。SNS等インターネット系メディアの発達によってAV女優の活躍をよく目にするようになり、一見キラキラした職のようにも見える。だがそれは他の芸能系稼業と同じく、レッドオーシャン。死屍累々の上に立っている者だけが世間一般認知されるのだ。


●本書を読みながら気になった記述・コト
*AV女優が所属するモデルプロダクションは裏稼業のような雰囲気を持つ。AV女優という職は法律的にはグレーゾーンになる。そのため、その管理、運営を行うプロダクションの人柄も裏稼業から流れてきている場合が多い。
*AV女優になるきっかけは経済的理由が多い。地方出身で上京してきたが、生活が苦しく、より高い収入を求めてAV女優に応募するケースが多い
*AV女優は人気職業となった。誰もがラクして稼げる時代は終わった。全体の応募数のうち、実際に撮影まで到達できるのは2割ほどになっている
*世間に認知されているAV女優は「単体女優」とうカテゴリで、トップ層に位置する。誰もが単体女優になれるわけではなく、ルックスが求められる。大半は単体女優にはなれず、消えていく
*AV女優とは賞味期限が短い。毎年大量の新人が登場し、多くの女優が消えていく。それを理解できずに生活水準をコントールできない人物が、AV出演によって生活を狂わせていく
*行き過ぎた演出によって、女優が大けがを負ったり、PTSDを発症する撮影もあった
→現在は大分改善されている。ナンパモノなど野外での企画撮影も、条例の改定などによって撮影ができなくなってきた。撮影空間の治安は良くなっている

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年6月28日
読了日 : 2020年6月28日
本棚登録日 : 2020年6月24日

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