フロー体験入門―楽しみと創造の心理学

  • 世界思想社 (2010年5月10日発売)
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感想 : 71
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受動的な趣味(レジャー)より能動的な趣味に打ち込む

【感想】
うすうす、テレビを見たり漫画を読んだりするよりも、スポーツに打ち込んだり楽器を弾いたりすることの方が趣味としてかっこいい、自分もそういう風になりたい、と思っていた。世間的にも、スポーツとか音楽創作の方が趣味として高尚というか、「本当に人生を楽しんでいる」感じがしないだろうか。この本によると、どうやらその仮説はあたっているらしい。受動的に遊ぶよりも、人は能動的に頭や手を使って、フィードバックが得られる体験が面白いらしい。
 なかなか難しい本。語りは平易ではなく、翻訳も固い。  こうすればフローが得られる、と教えてくれる本ではない。色々な分野によって、人々はどのような場面で幸福・フローを感じているかを語っている。それぞれの章を読みながら、自分の幸せを考えるために使える。自分にとって、どのような場所で、どのような人と暮らし、どんんな仕事をするのか。どんなレジャーをすることが最もフローを体験できるのか。考える日々。
 こうしてブクログに感想を書いているのも、読書をできる限り受動的レジャーから能動的レジャーに近づけたいからかもしれない。自分が読んだ本の感想や学びをまとめてブクログに書いておけば、自分が読んだ本の感想リストが出来上がる。そのリスト自体が「自分はこういう本を読んできたんだな~」と刺激を得られる。本を読んだ感想や学びを言語化することで、改めて自分が感じたこと、思ったことを深く認知できる。感想を書いていくのは面倒くさいけど、実は大切なんだろうな。こうしていちいち自分の言葉にしていくことで、本からのフィードバックを最大化しているのだ。


■フローとは
・意識がその体験いっぱいに広がる
・その体験に置いて、感情と思考が調和している
・人生の一番良いときのように感じる
・チャレンジしていることと自身のスキルがちょうどよいときに起きる

■フロー体験の特徴
・フィードバックが得られる
 
【本書を読みながら気になった記述・コト】
■友人と一緒にいることはとても良い体験になる。多くの人が高い幸福感を報告している。それは高齢者になっても同じ。友人はずっと大事だ
→この本では再三語られるか、豊かな友人関係を築けていることは、本当に大事だということだ

■女性の方が仕事での喜びを報告する傾向が高い。自分たちの仕事が「しなければならないこと」ではなく、「したいこと」と捉えていて能動的に取り組むことができる

■仕事は日常生活よりフローにあふれている。普段の生活よりゲーム性があり、フィードバックがあり、創意工夫が可能だからだ

■仕事で大きな成功を手にした人でも、人生で最もやりがいがあったこと、誇りに思っていることを尋ねられると「子どもたちの成長」「家族と一緒に過ごした

■最も多くのフロー体験は本をよく読みテレビをあまり見ない人によって報告された
→読書は思考の創造的活動そのものであり、かつ別の世界へさらに思考・興味関心を広げてくれるからではないか

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年7月13日
読了日 : 2021年7月13日
本棚登録日 : 2021年5月26日

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