光ってみえるもの、あれは (中公文庫 か 57-4)

著者 :
  • 中央公論新社 (2006年10月1日発売)
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本棚登録 : 1244
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本質を捉えられるようで手からするりと抜けていくような不思議な、川上弘美さん独特の世界観。

主人公・翠は考えすぎるきらいがあるが、本質は他人へ踏み込んでいない、興味を持っていないように感じる。
自分だけの狭ーい世界で満足しているような。
きっとガールフレンドの水江は隣に翠がいても「一人ぼっち」に感じたろうな。

そんな主人公こそが独りにならないのは、少しずつ普通じゃない周りの人間のお陰かな。そして彼らに大事に愛されているから、彼は彼らしくいられるという事、気がついていると良いな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年8月21日
読了日 : 2022年4月19日
本棚登録日 : 2021年8月21日

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