水木しげるの成し遂げてきた偉業の数々を見てあらためてすげーと思う。
一兵士が戦争に行くところから始まり戦後の生活も含めて描いた自伝。戦闘の展開とか史実はある程度他の本で知識があっても、戦闘中の兵士の様子をここまで詳しくは見聞きしたことがない。今なら人によっては直接体験者に聞くこともできそうだが、これからまた数十年と経った後のことを考えると誰でも触れられる形として残されている資料の価値は高まる。
細かい戦闘部分に感慨はなかったけど水木しげるという人柄に惚れた。味方の船が攻撃受けてるのを報告せずにおもしろがって観察してる場面は尊敬した。ただし味方にそんなやついたら自分の生死に関わるのでぶん殴る。
でもそういう性格だったからこそ生き残れたといえる。軍隊なんて真面目にやってたらすぐ死ぬだけだ。特に多大な援助をしてくれた現地住民たちとの交流の話には色々考えた。たまたま戦地がそこになって巻き込まれた住民と、たまたま兵士にさせられて戦争に行った人間があの時代に出会うことの巡り合わせとか縁の不思議さを思わずにはいられない。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2016年12月10日
- 読了日 : 2016年11月16日
- 本棚登録日 : 2016年11月16日
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