10年後に食える仕事、食えない仕事

著者 :
  • 東洋経済新報社 (2012年2月3日発売)
3.46
  • (77)
  • (209)
  • (230)
  • (74)
  • (7)
本棚登録 : 1871
感想 : 274

図書館でたまたま手に取り、以前読んだ本と内容が似ていると思ったら著者が同じだった。この人は就職関係の本を何冊か書いているんだな。他の本もわかりやすい論調だったけど今回のも同様で、図式化された職種別の特徴が載っていて参考になった。
人工知能の台頭で仕事がなくなるという話は有名で、そこではサービス業は軒並み苦しくなるとあったが、細かく見ていくと日本の女将さんのように特化したものは生き残る確率があがるらしい。またITと一口に言ってもやはり技術面ではインドには敵わないし、今後東南アジアなどの新興国でIT開発が進めば競争率は更に高くなるので勝負の仕方を考えなければならなくなる。
アプリの開発なら地元に根付いたサービスを提供できるので今後も需要は見込めそうだし、個人でできてグラフィックなどのデザインも必要となるから人工知能に肩代わりされることもなさそうだ。技術だけだと競争が激しくなるばかりで賃金はどんどん下がる。
あとは複数言語を習得するなり、他国の文化をよく調べて自国と他国とのブリッジ役を務めるか。そうなったらダイバーシティマネジメントを勉強しておいた方が有利になる。

まだ自分の職種がこれらの分布のどこに位置するかはわからないが、危機的状況にある7割に入らないよう努力しなくてはいけない。世界から見れば日本の能天気さは異常だ。もちろんこんな競争社会自体おかしなことではあるけど、完全にそこからドロップアウトしてしまえるほどの覚悟も術も今の自分にはない以上、とりあえずこの中で生き残っていかないと何にもならない。
ばかみたいな世界システムだとつくづく思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年12月10日
読了日 : 2016年12月10日
本棚登録日 : 2016年12月10日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする